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奇想博物誌 笛を吹くカミクライ 4
このお話しは続きものです。最初のお話はこちらです

 扉の向こうの兄の息使いが激しくなっていた。それとともに、凛子の中のニセの記憶も再生が進んでいた。
 凛子と兄はいったことのない浜辺を手をつないで散歩していた。普段なら絶対に手をつなぐことなどしないし、進んで兄の顔を見ることなどない。

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 しかし、記憶の中のふたりは心の底から愛し合っている恋人同士にしか見えなかった。見つめあい、時折、はにかむように視線をそらす。そして、赤い夕陽の中で長いキスをかわした。
「はあはあはあ・・・凛子・・・凛子」
 扉の向こうから兄の声が聞こえた。
「おにいちゃん」
 凛子はわざとらしい、鼻にかかった甘えた声をだしていた。自分でも知らないうちに声がでていた。凛子は、ぞっとした。自分の記憶が改ざんされ、自分の言動もじょじょに自分の意思とは違うものになりつつある。
「凛子・・・」
 兄が扉を軽く叩いた。
 凛子は思わず扉を開けてしまいそうな自分が怖かった。

 勝手に頭の中で再生されている記憶の中では、兄と自分が浜辺で抱き合っていた。長いキスの後に、兄の手が凛子のうなじを、肩を、尻をなでまわしていた。そして、ゆっくりと凛子の胸元に手を差し入れてきた。
− 気持ちが悪い −
 凛子はとっさにそう思ったが、記憶の中の自分はそうではなかった。うれしそうに兄の手を受け入れていた。
 兄の指先が乳首に触れると、小さくうれしそうな声をあげたりもした。記憶がそこまで再生された時、凛子は自分の身体がびくんと反応したことに気がついた。まさか・・・と思って、確かめると濡れていることを知った。
 単に濡れているだけでなく、身体全体が過敏になっていて、自分の手で触れるだけもびりびりと反応するようになっていた。
 さきほどから鼓動の早く、激しくなっているようだった。
「凛子・・・」
 兄の声が再び響いた。
− 答えるな! −
 凛子は自分の口を自分の手でおおった。しかし、それよりも早く、口から甘くせつない口調で
「おにいちゃん」
 という声がもれていた。
「ああ、凛子・・・凛子」
 兄の声はひときわ狂おしいものになった。
 記憶の再生では、浜辺に横たわった凛子に兄がおおいかぶさっていた。
 凛子は逃げたくなった。だが、これは自分の記憶なのだ。自分の記憶からどうやって逃げるというのだろう。
 記憶の中では凛子の乳首を兄がなめていた。不健康なざらざらした舌が、凛子の乳首に触れるたびにこらえられない嫌悪感とともに、ニセの記憶のもたらす甘い快感があふれだした。
 実際の凛子の乳首もピンとたっていた。敏感になっていた。そこにパジャマがすれて、快感をもたらしてくるのだ。
「あああ・・・」
 凛子は思わず、ため息をもらしていた。もらしてから、はっとした。
「凛子・・・感じてるんだね」
 兄の声が扉の向こうからもれてきた。
「おにいちゃんもひとりでしてるんだ。凛子もひとりでしてみなよ。」
 兄のこもった低い声が扉の向こうから来た。
 扉の向こうで兄がオナニーをしている! 凛子はほんとうに逃げたくなった。
「ひとりでしてごらんよ」
 兄は、はあはあとうめきながら、なおもいい続けていた。凛子はふとんを頭からかぶって、できるだけなにも聞かないようにしようとした。
 しかし、ふとんをかぶると声は聞こえにくくなったが、そのかわりに頭の中の記憶がより鮮明に思い出されてきた。
 すでに浜辺の記憶は、クライマックスに近づいていた。
 凛子はほとんど裸になっていた。兄の舌が全身をなめまわし、凛子は身体をくねらせて、あえいでいた。
「おにいちゃん」
 凛子の口から甘い吐息のような声がもれた。
 兄の指先が凛子の一番敏感な部分に触れてきた。すでにそこは、しっとりと濡れていて、ピンクのつぼみは充血してふくらんでいた。
 凛子はふとんの中で太腿をすりあわせた。こらえようもなく、身体の中心がほてってきてしまっていた。
 あそこが充血して、我慢できないほどだった。
 凛子はおそるおそる、そこを指先で触れてみた。
 ちょと触れただけでも、びくんと背中がそってしまうほどの快感を感じた。
− どうしちゃったんだろう −
 凛子はふとんの中で狂おしく体をくねらせた。

< 続 く >

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